旧約聖書あと一歩 第三回
「神の祝福が回復されるために」
大阪キリスト教短期大学教授 日本フリーメソジスト教団教職
石黒則年 氏
「主はアブラムに仰せられた。『あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。…地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。』アブラムは主がお告げになったとおりに出かけた。」(新改訳 創世記12章1節〜4節)
エデンの園に置かれた最初の人間アダムとエバは、神さまの警告を無視して罪を犯し、エデンの園から追放されてしまいました(創世記3章23〜24節)。彼らの子らは兄弟喧嘩を始め、兄カインは弟アベルを殺しました(同4章8節)。また地上の悪は増大し、神さまの期待を裏切ることとなったため、ノアの時代の大洪水によって大多数のものが地上から滅ぼされました(同6章以下)。それでも罪は解消されず、バビロニア地方の人々は神さまに反抗して高い塔を建て始めましたが、それは神さまの怒りによって中断させられました(同11章)。神さまと人間との間の信頼関係を取り戻して、人間は神さまの祝福を受けるという、神さまの最初の意図はどのようにして回復されるのでしょうか。
主なる神さまは一人の人アブラム(後のアブラハム)を選び出して、被造世界すべてに祝福を与えるという当初の計画を再開しようとされました。冒頭のテキストは「アブラハムの召命」の記事と呼ばれています。ここに神さまの計画を実現するような人物に求められる資質について教えられています。
それは第一に、神さまの声を聞くことです。今日で言えば、聖書のことばを神さまの語りかけとして読むことです。神さまは聖書を介して人に語りかけられます。第二に、自主自立の精神をもつことです。アブラハムには「父の家を出ること」が命じられましたが、それは父テラが偶像礼拝者だったからです(ヨシュア記24章2節)。真の神さまに聞き従うことが大切です。第三に、神さまからの祝福を確かなこととして信じることです。神さまの働きに期待することです。第四に、神さまの祝福を受けたら、それを周囲の人々に分かち与える姿勢です。そして第五に、神さまからの指図に従って行動を始めることです。アブラハムを見習って、信仰の決断をいたしましょう。

前のページへ